湯河原・真鶴の野生生物を観察し、写真に記録すること。
もっと早く顕微鏡を使うべきだった(何度か加筆)

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ラッキョウ形のムササビ(?)のエビフライ。リスのエビフライのように基部周辺の鱗片が根元深く切り込まれず、斜めの度合いも弱いから頭の丸いラッキョ形のフォルムになったと考えている

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リスは松ぼっくりを横にして持つから歯の条痕や筋は横向きに付く。また下顎の切歯2本は鱗片の厚みとほぼ同じ。

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左がムササビの切歯で幅2ミリ、右がリスの切歯で幅1ミリ。右の写真のムササビの歯先は鋭いが、2本の間になる部分は切れが悪いのか、ムササビのエビフライと思えるものはケバがたくさん残っている。(まだ確証は持てないが)

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右の基部付近の切り口が斜め一直線になっているリスの開いた松ぼっくりのエビフライ。リスの口が小さく切歯のストロークが小さいのも原因のような。

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(写真変更)倒木の下の狭いリスの入れない場所にあったネズミのエビフライ。この写真からも切り口が湾曲しているのがよく分かる。

これまでのエビフライ分析はマクロ写真を拡大し確認してたが、今回初めて顕微鏡で見たら新たな発見があり、もっと早くから使っていればよかったと悔やまれた。昨日、保存してあるエビフライの中から50、60個ほどを何度も繰り返し比較したが、ムササビの巣近くで採集した10数個の中にリスのものとフォルムが違うが切り口が大変よく似ているのがあった。歯幅が4ミリなので一度に鱗片を2枚ぐらいバリカンのように削り取っているかもと想像してたが、松ぼっくりやエビフライをじっくり見たら開いた松ぼっくりの基部に近いところは小さな鱗片が密集して一度に2枚は無理だと思えた。写真からバリカンのような切り口になるとしたのも少し違っていて、もし一本の歯で削ってないとしたら鱗片一枚一枚を切歯2本で切り取るしかなさそうだった。

バリカン風を想像していたので、顕微鏡で見たムササビのと思ったエビフライの鱗片一本一本の切り口がリスそっくりで驚いたのだけど、今日また何度も観察したらこれらラッキョウ形のものはやはりムササビのでいいように思えてきた。頭でっかちになるのも4ミリ幅の歯が原因と考えられるからだ。リスのように一本の根元に深く切り込めず浅くしかできないのだ。なので、バリカンで刈ったように切り口のデコボコが少ないない丸いラッキョウ頭になるのだろう。ラッキョウ形のエビフライはリスのように切り口が強い斜めにならないのも理由。リスより口が大きく切歯のストロークが長いのがあるかもしれない。あと、前項で歯の条痕はできないとしたが、歯に隙間があるから当然できるのだった。まあ、まだどう転ぶか分からないような危うい検証なので、あしからず。

ただ、今回顕微鏡で見てリスのエビフライの特徴がよりはっきりしてきて、ネズミのエビフライとはしっかり見分けられるようになった。リスのエビフライの特徴は下顎の切歯で鱗片の根元を手前から前方に向けてナイフでスパッと切るようにやるのだが、松ぼっくりを横にして持っているので、前項の歯の条痕のように横向きになぞった筋ができる。しかも切れ味が鋭いからたとえば鱗片が開いた松ぼっくりなど、一直線で水平な切り口となる。それが下から斜め上にに走っているものがほとんどなのだ。

一方、ネズミのエビフライも切れ味は鋭くちょっと見にリスに似てるが、よく見るとネズミのものは切り口の筋が鱗片の根元からエビフライの尻尾方向や斜めに向けて付いていた。また、2層になった断面の繊維層でない硬い外側部分に歯でできた小さな段差がたくさん見られた(リスのものには段差がほとんどない)。しかも切り口は一直線ではなく内側へ湾曲していて斜めに切れ上がらないのだ。ネズミのエビフライはリスが入れないような狭い場所で見つかり、状況からネズミで間違いないのは分かっていたし、見た目もエビフライの頭の方が丸っぽくて明らかに形が違うのだけど、この丸いのが切り口が湾曲しているのからくるのだと分かった。まだ他にもあるけど、とりあえず大きな特徴を見つけられたのだ。私の手持ちのエビフライの中にこれが4個あった。

その他にもリスが開いた松ぼっくりの鱗片を根元からでなく中程から切り取るのは、歯が根元に届かないのかと思ってたけど、そうではなかったから、松の実が溢れ落ちないようにするためかもしれないとか、鱗片の厚みが2ミリぐらいでリスの歯の2本で2ミリとぴったりなのが分かったりで、顕微鏡の重要性がよ〜〜く分かった。この三眼ズーム顕微鏡はアダプターを買えば一眼レフで撮影できるので、それができたらまたブログにアップしてみたい。


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「執筆のお願い」って・・・・?

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ムササビのエビフライは切歯の2本で4ミリとリスの2本で2ミリの倍あり、鱗片を一つ一つ上手く剥がせず、写真のようにバリカンで削ったようになるものも。(顕微鏡で見たら間違いの可能性が出てきて、保留ということで。下の条痕のあるのはリスのもので間違いない)

2011:2:4
リスのエビフライは一つの鱗片の根元を深く削り取るものが多く、ムササビのものにはこの条痕が一つもできない。

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2011年の記事では全部がムササビのものと確証が持てず、アップしてなかった(?)ハズのエビフライ。


古い記事を読みなおしていたら返事してないコメントが一つあり、覗いてみると驚きの内容が。そのコメントを紹介すると、

「執筆のお願い」

初めてお便りします。
リスとムササビのエビフライの比較を読ませていただきました。私も拙著で切歯の幅の違いで区別できるのではないかと指摘しました(ムササビ 築地書館)。その後、このブログを見つけた次第です。私たちのリス・ムササビ ネットワークの会誌に、エビフライの比較について執筆して頂けないでしょうか。また、入会して頂ければ大変うれしいです。お返事をお待ちしております。(川道武男)

とあった。しかし、このコメントが書かれた記事は2014年6月10日のもので、もう1年半も前だし、しかもコメントの内容は2011年2月4日の「リスの歯形とムササビの歯形」へのもの。こんなコメントを長く野ざらしにして失礼したが、しかし執筆依頼とは驚きだった。私は実はリス・ムササビネットワークに入会していたがリスの記事が少ないので、続けるかどうか迷っている間に会費が遅れ自然退会となっていたのだ。

しか〜し、ムササビやリスの論文を多く書かれているオーソリティーに私のこだわりの研究を読んでもらっていたとは少しうれしいかも。これまでリスとムササビのエビフライは判別できないと言われていたのだ。ただ、「リスの歯形とムササビの歯形」は一応の結論は出しているものの、ムササビのエビフライの採集が少なく、も一度検証しなければ、というところで止まってしまっていた。しかも最近は料理ブログと化しているし・・・。まあ、暇がありましたら昔の記事をリンクしておくので見てやってくだされ。でも、どうしよ。

追加:コメントのリンクへおわび文を書いて送ったけど、メールが戻ってきたし、リス・ムササビネットワーク事務局へメールしても同じだった。なので、そのままにするしかない状態。このコメントを発見したあと、改めて過去のエビフライ分析など見直したら、間違いがあったりで、一部訂正を入れたりした。自然観察を時系列で見れば、古い記事ほど間違いや勘違いがあるのは当然だけど、当時の疑問などを思い出し面白い。しかし、まだ疑問はあるのでいつかまたやろうと思う。

鱗片の褪色がずいぶん急だな

2015:8:1:5412


29日に今年初の青い松ぼっくりのエビフライを発見し、切り株の上で撮影した。そして、ぽっかり仕事が空いてしまった土曜日の1日、同じところをチェックしたら2回分ほどの鱗片が落ちていて、新しいのだけ拾って、前回の横に置いて撮影してみた。

右の鱗片は瑞々しくて当日の早朝に製作されたものだが、左のは4日しか経ってないのにもう黒ずんでいる。以前鱗片の褪色実験をやったときは部屋の中だったこともあるのか、そのときよりも劣化がだいぶ早い感じがする。

4日の間に一度雨があったのと、ここのところの強烈な暑さのせいだろうとも思えるが、製作されてから10日以上も経ったように見えるから、フィールドの鱗片は今後これを考慮して見ないといけない。

2015:8:1:5418
羽根の先端にオレンジ色が見えキジバトと分かる/
2015:8:1:5420

1日はまたいつもと違うルートを少しだけ歩いてみた。まず幕山入口三角州から2、300m登ったところにある自鑑水とよばれる長径10mほどの池というか水たまりがあり、ここへ行ってみた。
源頼朝が戦いに敗れて山中を逃げ惑っていたとき、この水たまりに映った自分の姿をみて自害するのを思いとどまった、とあやしげな解説がされてる自鑑水(自害水とも呼ぶ)。

ここはいつも夏場に涸れてしまうが、今年は雨が多かったせいか、まだ水がだいぶ残っていて、動物達が利用しているだろうなと見ていくと、縁に鳥の羽根がたくさん落ちていた。羽根の主はすぐキジバトと分かったが、これを木が込み入った森の中で襲えるのはまずオオタカだろう。

というか、昔、この水たまり周辺でリスを待っていて、何度もオオタカを見てるし、水面に激しく当たる羽音を聞いたこともあり、オオタカの狩り場だろうとは思っていた。また、つがいで飛んできて鳴き交わすのを聞いたのもここ。でも撮影は難しいね。

この自鑑水、水が涸れるから生き物はこれまでミズスマシしか見たことがないけど、今回はオタマがたくさん泳いでいた。すいぶん遅いし何だろうね。


2015:8:1:5423
タニタデ/

自鑑水のあと、森の中を少し歩いてみたが、写真のタニタデを発見したぐらいでめぼしいものはなし。このタニタデ、見たことがあると思ったが、マイ図鑑のホルダーに登録してなかったし、初見ということのようだ。
今年初の青いエビフライ

2015:7:28:5303

白銀林道から幕山へ登る遊歩道の入口が50m離れて二つあり、それが60、70m先ですぐ合流し、三角州のようになっているから、ここを幕山入口三角州と呼んでいる。

この三角州の東側の一辺の遊歩道上にほぼ毎年青いエビフライが落ちている。いつも7月後半に始まり、11月前半の松ぼっくりの色が茶色くなるぐらいまで続く。

これが今年も初めて見られ、ここのリスは今年もまだ生きている、よかったよかった、と安心した(7月9日にも林道に出てきたのを確認してるが)。で、拾い集めていつもの切り株の上に置き撮影してたら、50、60m先の檜の小枝が揺れるのに気付いた。風もないし不自然なので注視してるとリスが枝を飛んだのだ。
急いでレンズを望遠に付け替えたけど、その一瞬に見失ってしまった。

リスは私が三角州に到着したときまだ樹上で松の実を食べていて、下を向いて作業する間にこっそり逃げたのだ。松の木を走るときは音がして気付くことが多いけど、檜の場合は樹皮の違いでしないのだろう。ここでこれまで一度も松の実を食べてるリスを見たことが無かったから、少し油断していた。

これを書きながら、この三角州の青いエビフライを初めて発見したのはいつだったろうとふと気になり、旧ブログをめくってみた。すると2008年の8月が最初。ということは今年で7年目。
野生リスの寿命は5年ほどだからまず同一個体ではないだろう。縄張りが重なっているか、世代交代があったか。しかし、青い松ぼっくりなど他にたくさんあるのに、あえてこの見通しのいい人通りの多いところを毎年選ぶのか。
しかも、200から500m先にはクルミの木が10本ほどあり、先日見たときにはまだたくさんぶら下がっていた。

このあたりがよく分からないのだが、一つは人間の往来が多く、天敵のオオタカやノスリの姿を見ることがほとんどない場所というのがある。ほんの100mぐらいのスポット的だけど、天敵が嫌う場所なのは間違いない。

以前にも何度か書いているが、リスが巣を作る場所も林道脇や視界が開けている林縁。ノスリやテンが巣に近づこうとすると人間や他の動物に見られてしまう、視線圧とでもいうものががかかる場所。

いまはリスの数が減ってしまったからクルミがたくさん残っているけど、クルミの場所は人間の視線圧の少ない危険な場所でもある。
クルミも食べたいけどより安全な松ぼっくりを、ということなのだろうか?

2015:7:28:5311

2015:7:28:5324

あと、隊長のブログにコメントしたテンが若いサルナシをどうして発見できるか、というの。これ、以前に同じことを書いたのをすっかり忘れていて、昨日林道へ行って思い出した。
隊長もコメントされてたが、写真のように風やらで落ちるのがたくさんある。これを一つでも見つければ、周辺に本体があるのが分かる、ということだろう。

林床にも青いエビフライや鱗片がパラパラと


2014:9:12:3529

2014:9:12:3495


先週金曜、白銀林道の幕山入口のいつもの遊歩道をチェックしたら青いエビフライが落ちていた。
ただ、新しいのはまつぼっくり1個か2個分で、古いのも少なく、ときどきしか来てないのかな〜って思えたが、前回、その場所から50mほど進んだ所に青いエビフライを発見しているので、そこも確認したら、やはり同じように新しいのが落ちていた。

ということは、いつもの松の木には今年松ぼっくりが少なく、周辺の松の松ぼっくりを食べているということだろう。それに、落ちていたのは遊歩道上ではなく、脇の林床。これからすると、遊歩道上に落ちるのが稀で、偶然なことなのだろう。高い木の枝で食べて林床に落ちた鱗片などまず見つからないものね。

あと、林道東に一本あるオニグルミの実がまだたくさん残っていた。ここは幕山入口からたった1,5キロだが、やはり、東エリアからリスは消えてしまったようだ。

2014:9:12:3498

あちこち運動がてら歩いたら、草原はツルボやマルバハギが花盛りだった。
それと、いまさら気づいたのに、イタドリに白い花ばかりでなく赤いのがあること。でも少なかったね。