湯河原・真鶴の野生生物を観察し、写真に記録すること。
味付けを何度かやり直しやっと食えるように

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牛丼が食べたくなり、初めて自分で作ってみた。味の調整に2度失敗し、3度目でまあ成功。右はコンブ入り浅漬け。



牛丼は以前すき家へときどき行って食ったり買って帰ったりしてたが、昨年食の裏側を見た頃からまったくと言っていいほど口にしなくなっている。そうだ、セブンの牛丼弁当もよく食べてたな〜。ま、脂肪も多そうだから体を絞るに悪いし、と言っても我が家の食卓に肉も少しは乗るし、あえてセブンや牛丼屋までいかなくともという感じ。

しかし、石橋貴明のイシバシ・レシピというYouTube料理番組を見てたら、牛丼を作る回があり意外と簡単にできていた。しかも、石橋が作ったのをゲストの料理人が旨い旨いと食ってたし、周りのスタッフも有名牛丼屋の味そのままだと言っている。この番組、石橋が家庭でもできる料理を毎回作り、ゲストが同じテーマで家庭でできないプロの一品を作りそのギャップを楽しむコンセプト。これを見ていて、そうだ、牛丼が食べたければ自分で作ればいいのだ、安全だしと思ったのだ。

で、これならできるかもと、買い物を頼まれたついでに一番安い切り落とし150gぐらいと牛蒡を買ってきて、今朝牛丼を作ってみたのだ。野菜はタマネギと牛蒡のささがき、シイタケで、これを油で炒め、そこに水、赤ワイン、酒、醤油、すりおろし生姜、砂糖、塩、ガーリックパウダーを入れて煮詰めていく。番組ではワインは白だったが、赤しかないからこれで済まし、野菜はタマネギだけだが、栄養を考え牛蒡とシイタケを追加してみた。

ま、肉の量が違うし甘辛い味にすればいいのだからと、レシピの分量をテキトーにやったら、最初は味が薄く、醤油と塩を足したら今度は辛くなり、次に酒と水と砂糖、タマネギも加えて煮たらやっと牛丼らしい味になった。昔ならこれに卵を落として食べるところだが、コレステロールを考え最近肉以外に卵も減らしているからこれはなし。丼は家にある最小のもので、中身は牛丼屋の並盛りの半分も入ってないから、これぐらいの牛丼なら食べてもいいだろうと、肉を食べるのをまだ少々ためらっている。というのも、ここのところ筍ご飯が美味しくて何度も食べ過ぎたためか、体重が戻り始めていて気になるのだ。写真右は自作コンブ入りの白菜の浅漬けで、本枯れ節の削り節を乗っけている。私が作る料理は和食を中心にし、動物タンパクは主に魚で摂ろうと思っているが、たまにはこんなのもありかな。


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「海の幸」の次は「山の幸」を味わう

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左上は20センチぐらいに育った若く柔らかいセリのおひたしで、右上がワラビの煮物。下がヤブレガサが入ったてんぷら。

写真左上は20センチぐらいに育った若く柔らかいセリのおひたしで、右上がワラビの煮物。下がヤブレガサを刻んで近所から頂いた筍や桜エビを合わせててんぷらにしたもの(全部かみさん作)。ここのところブリ料理が続いて海の幸をたっぷりいただいたが、今回は山の幸。我が家からクルマで15分も走れば山菜も手に入るのだ。ま、クルマを止めてから10分、20分と歩くのだけど、これからしばらくの間海の幸山の幸の両方が味わえるようになる。

その中でも今回採れなかったヤマウドは、茎の太い部分を酢味噌や炒め物、細い部分はきんぴら、柔らかい葉はてんぷらと、いろいろできるし、量もそこそこ集められるから、楽しみの多い山菜である。ただ、ネットでヤマウドの山菜を調べたら、地面から芽が出たばかりの根元が白やピンクのもので、私が採っているのとだいぶ違っていた。私の場合、背丈ぐらいに大きく育ったヤマウドの枝から出た柔らかい脇芽をポキンと折り採っている。なので本体が枯れないし、次々と脇芽が出るから一本のヤマウドから2、3度脇芽をいただけることもある。何度か地面から出たばかりの新芽を探したけど、見つからなかったからしかたなくそうするようになったが、これで充分美味しいのだからいいのである。

写真のセリのおひたしは、とても柔らかく独特の香りがあってとても美味しい。最初に少しちぎって生で食べてみたけど、わずかに甘みを感じ、これならサラダにだってできるかもと思ったほど。夏ごろだったか大きく育ったセリを採ってきておひたしにしたことがあるけど、筋っぽくて旨くなかったから、やはり早い時期がいいのだろう。ワラビもとろけるように柔らかいですな。ヤブレガサのてんぷらの特徴は甘いこと。葉を刻んで重なっているから歯ごたえもあるが、しかし、桜エビの香りと味にちょっと負けてしまったような。でもトータルうんまい。これを天丼にしてみよう。

我が家の冷蔵庫の中にはまだブリのカマが残っているし、コンブの甘煮や昆布巻き、白菜の漬物にコンブを入れたものや、サバの身を大量にそぼろにしたタッパがあったり、ワラビもおひたしもあるのだ。それだけではない、頂いた筍を茹でたのが大量にあるし、ブリの唐揚げの冷凍してないのと、なんと、さつま揚げまでまだ残っているのである。そうだ、仲間の漁師にもらった天然わかめもあったぞ。もういろんな幸がごちゃごちゃなのだ。ちなみにサバのそぼろは、釣りのお客さんのエサように真鶴産のものを買ってきて、身を削いだのを使って作った。カサゴなどのエサには皮に薄く身が残っているぐらいがいいのだ。大きなサバ3匹身を削いだら新鮮だったし、いつもは捨てるのだが、このとき誰かに聞いたサバのそぼろを思い出したのだ。

上記の白菜の漬物に自作コンブを入れたのは最近の私の好物の一つである。すぐにネバネバが出てきて、とろ〜っと尾を引き、とてもうんまい。だがしかし、もう一工夫できそうな気もするし、このコンブを白菜の漬物のようにもっと山の幸や畑の幸とミックスしてみたいと思っている。



ワラビ、ヤブレガサ、セリをいただいてきた

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最初に発見した場所のバアソブが8株ぐらいあった。昨年花も蔓も少なく、ついに絶滅の道をたどり始めたかと思ったが、虫かノウサギにでも食べられたのだろう。

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1株増えて2株になっていたトモエソウ。しかし落ちた種は数100個あるだろうに、たった1株しか発芽しないとは厳しいね。


昨日、数ヶ月ぶりに林道へ行ってきた。まさかこれほど間が空いているとは思わなかったが、数えてみるとそのぐらい経っていた。ま、その間に包丁の研ぎ方を勉強し、料理を作ったり、鰹節を削って出汁を引くようになったりしたから、林道探索は停滞したけど、料理も素材のことを考えたりするから広い意味で自然探索だろうと思っている。

今回は、リハビリのつもりで主に山菜採りを目的にした。駅前の店でワラビの煮物が出たとき、もうこんな細いのしか残ってないらしい、というのを聞き、エッ、ワラビってそんな早かったっけ、一度は採りに行かなくちゃと思ったのだ。昔からワラビを食べて美味しいと思った記憶がないが、昨年自分で採ったのを料理してもらったら柔らかくてとても旨かったのだ。それにヤブレガサやモミジガサ、ヤマウド、タラの芽の天ぷらも食べたい。

しかし、以前から不思議だったのが山菜採りの人達が驚くほど山奥まで入り込んでいることだった。特にヤマイモ掘りをする人はすごくて、あちこちに痕跡を見る。日頃見かけないのに、広い山中からどうやって太く長いのを探し出しているのだろうと思うのだ。ある場所にはそこいらじゅうボコボコ穴が開いていて、木の枝の又などに厚い30センチ四方ぐらいの網の鉄板が挟んであったり、地面に何枚も置いてあったりした。

何かヤマイモ掘りの専門の道具だろうかと思ったがいくら考えても使用法がわからない。で、この項を書きながらふと考えたのが、ヤマイモの蔓を発見したとき、根元を切り離し、その上にかぶせておくこと。たしかヤマイモは蔓が元気な内は採らないように聞いた覚えがある。この網の鉄板は目印にもなるが、ひょっとしてイノシシ対策でもあるかもしれない。そんなことをする人はプロだろうか。この場所は特別大きな葉と太い蔓がよく見られ、一度掘ってみようかと思うがまだ試してない。

ワラビ採りの人も恐ろしい場所まで入り込んでいる。普通の人は草原のようなところで採ると思うが、木が低く臨床に陽がよくあたり、枯れたススキがところどころに生えていて、ノイバラがからむようなところが太くて長いワラビのポイントである。林の中をノイバラに引っかかりながら歩いていたとき、倒れた枯れすすきの中から長いワラビが何本も顔を出しているのをいくつも発見し、意外に思ったことがあった。昨日もそんな歩きずらい場所のワラビを探していたら、すでに折られたのがたくさんあり、いつもは人を見ないのにいつのまにこんな奥まで、と思うのだ。これもひょっとしてプロの仕業なのだろうか。

ま、それでも採り残したのが少しあったし(新芽が出たのかもしれない)、別の場所ではまったく手を付けてないポイントを発見し、私としたら大漁の150本ほどを収穫し、100本ぐらいを駅前の店に差し上げた。タラの芽はもう開きすぎていたし、モミジガサやヤマウドはまだだったが、ヤブレガサと柔らかいセリもいただいて帰ったのだ。

写真上は最初の場所のバアソブ。もうこれぐらいに成長してたし、8株ぐらいあった。昨年は花も蔓も少なく、ついに絶滅の道をたどり始めたように見えたが、蔓や葉を虫かノウサギにでも食べられただけなのだろう。下は1株増えて2株になっていたトモエソウ。しかし落ちた種は数100あるだろうに、たった1株しか発芽しないとは厳しいもんだね。ン?よく見ると3株ある?

ワラサ1本食べ切るのはけっこう大変だ

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西京味噌と普通の味噌をみりんで練り、切り身を漬け込んだもの。焦げ跡から二度裏返したのがわかるね。

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唐揚げにした切り身に、ニンニク、生姜、ネギを刻んで醤油と酢、砂糖を入れたたれに混ぜ、かけたもの。


一昨日採ったコンブを夜も外に出しておいたら昨日の朝乾いてきて、白い粉を盛大に吹き始めた。これを見て以前から試してみたいと思ってたことを実行に移すことにした。それは、この白い粉を集めること。白い粉は塩でなくマンニトール(マンニットとも言う)と呼ばれる糖アルコールの一種で、グルタミン酸と並ぶコンブの旨み成分である。以前からこれがたくさん採れれば天然の調味料になるのではと思っていたのだ。

で、大きなビニール袋でぶら下がったコンブを包むようにし、ブラシで粉を落としていったのだ。ま、全部が粉を吹いているわけではないから半分ぐらいやったかもしれないが、1本からごくわずかしか採れないし、気の長いバカな話かもしらん。でも、ビニール袋の底に白いのが溜まってきて、指で挟むと意外や厚みがあるではないか。これに気を良くし頑張った結果、内径20ミリの透明な円筒の容器に高さ45ミリもの量が採取できたのだ。なんだか怪しげな麻薬みたいな白い粉で、塩も混じっているから少ししょっぱいけど、色々試してみることができそうだ。これ、脳圧や眼圧を下げたり、糖尿や腎臓によかったりと、注射液などとして医薬品に使われているそうである。

午前中はこれ以外にも鰹節を削り出汁を2リッター以上取ったりして遊んだが、午後からは写真の料理を作ってまた駅前の店に持ち込んだ。写真上が西京味噌と普通の味噌をみりんで練ったのに4切れ漬けていたのを焼いたもの。味見したらちょっとしょっからかったけど、酒の肴には合いそうで、3切れ持って行き焼いてもらった。下の写真は小麦粉が無かったから天ぷら粉で唐揚げにした切り身に、醤油と酢、砂糖をたっぷり入れた汁にニンニク、ネギ、生姜をみじん切りにしたのを混ぜ、それをかけたもの。これも常連客に食べてもらったが、まそこそこ好評だった。

この他にも柵にしておいた身が少しへたってきたので、全部切り身にし、ガーリックや醤油、酒で下味をつけ、天ぷら粉とかたくり粉にまぶして唐揚げにしてしまった。これの大半を冷凍保存し、ガンバラや砂ずりは味噌ダレに漬けて焼き、カマ二つは再び合わせ味噌に漬け込んだ。これで切り身にして冷蔵庫にのチルドに入れておいたのが全部無くなったが、ま、5キロのワラサ1本は普通の家庭では食いきれませんね。誰かにあげればよかったのに、ちょっと欲張り過ぎてしまった。



脂が少ないワラサの背節(背身)だから油を使った2品を

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左はワラサをフライにしたもの。ほっこり柔らかくうんまい。右は一度唐揚げし、味噌とマヨネーズ、みりんと酒を混ぜたのを別のフライパンで和えたもの。


ブリ料理をネットで見ていて、「また照り焼き?ぶり大根?とは言わせない!ブリ料理レシピ35選」というのを見つけ、ちょっと覗いてみたら作ってみたい料理がいくつか載っていた。以前からイナダ、ワラサ、ブリの料理は刺身や寿司以外はブリの塩焼き、ブリ大根、照り焼きぐらいしか美味いのを食ったことがないな~、他に工夫できないだろうかと思ってたからこのタイトルにすぐ飛びついたのだ。

まずはぶりカツと命名されてたフライ。もともとのカツレツは肉のことを言うらしいから魚はフライでいいのだ。しかし、ブリのフライってあまり聞いたことがなかったよね。これはとんかつと同じ要領でパン粉をつけて揚げるだけで、記事ではブリで作っていたが、ブリより脂のないワラサの背身をどうしようか考えていたから油で揚げるカツは合うのではないかと思えた。結果はやはりそうで、ふんわり柔らかくてパサつかず、ガーリクパウダーが効いていてとてもうんまい。マヨネーズをかけてパンにはさんでも良さそうだし、ソースや醤油でそのまま食べてももちろんいける。フライ好きだからこれはワラサやブリの定番にしよう。

次は「味噌マヨ唐揚げ」。見た目が美味そうだったし、特別な材料が必要ないので少しだけ作ってみることにした。実はフライより先に作ったのだが、下処理したワラサに小麦粉をつけるまでは一緒の作業で、サラダ油をフライパンに1センチ入れて、まずは焼き色が少しついた唐揚げにする。これに味噌とマヨネーズ(かみさん作)みりんと酒をほぼ同量ずつ(大さじ1,5)混ぜたのを別のフライパンに入れて煮、くつくつしてきたら唐揚げを入れて混ぜながらからめる。これで出来上がりだが、食べてみたらとてもしっとりしていて、味噌とマヨネーズの相まった感じがなんだかいい。これもベリーグーでした。

あと、前回アマダイで使った西京味噌がのこっているので、これに普通の味噌を合わせ、皮付きの切り身4つを漬けたから、これも焼くなりして食べてみよう。どんな味になっていくのだろう楽しみだ。まだワラサは1/3以上残っているけど、ヅケもブリ大根もあるから寿司を握っている場合でない。これも困ったね。




刃を修正した大出刃でワラサを捌いてみた

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5キロほどのワラサを頂き、そりの部分の鎬(しのぎ)筋を上げ、切刄を広げて厚みを削った大出刃でさばいてみた。

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左は酒とみりん、醤油に浸けたのをご飯の上に乗せたヅケ丼。右は頭やアラをコンブを入れて炊いたブリ大根。


土曜日、真鶴・岩港の定置網にワラサが3800本入り、5キロほどのを仲間の先輩漁師から一本頂いた。ワラサやブリなど定置網に入る魚は移動中の群れだから、漁師といえどそう簡単には釣れないので、今度ブリかワラサがたくさん獲れたらちょうだいとお願いしておいたのだ。

ブリ大根だとか握り寿司とかいろいろ作りたいのもあるが、刃渡り180ミリの大出刃(以前中出刃と書いたが180ミリは大出刃だった)で大きな魚を捌いてみたかったのもある。そんで、久々に長さ60センチのまな板を使い包丁を入れてみた。写真は駅前の店で頂いたときに頭を落としワタを抜いておいたもの。調理場で小さな出刃を借りてやったが、このときは中々中骨が切れなかった。なのでそりの鎬筋を上げた私の出刃が果たしてどこまで通用するか気になった。しかし、結果はばっちり。

背中の頭側から背びれに沿って包丁を入れていくのだが、まずは浅く筋道をつけるつもりで切りつける。浅いのを2度ほど繰り返すと包丁の切っ先が中骨にあたるから次は中骨の上を這わすようにすると、中骨から身に出ている小骨がチチチチと切れていくのが分かる。それを尾びれの付け根近くまでやり、一旦抜いて今度は逆さ包丁にして付け根に差し込んで腹側へ切っ先を突き抜く。そこへ左手の指を入れて握り、包丁を逆さのまま中骨に沿わせて一気に頭側まで走らせる。

このとき切れが悪いと途中で何度も引っかかったりするのだが、初めてかもしれない、スパッと一回で片身が離れたのだ。反対側も最後で少し引っかかったが刃を滑らすときれいに離れた。それだけではなく、中骨を叩き切るのも一発だし頭の梨割りも労せずできたのだ。もちろん一箇所も刃こぼれせずだから蛤刃も成功しているのだろう。中骨を叩き切るとき、強くやったら刃がまな板に刺さってしまったから、これまでの小出刃のように力を入れないくてもいいのかもしれない。

写真下はかみさんに頼んでおいたヅケ丼とブリ大根。酔っ払って帰ってから酔眼で撮影したものだが、ヅケは酒とみりんと醤油に浸けたもので、ブリ大痕は頭やアラをコンブを入れて炊いてある。まだたっぷりあるから今度は自分で色々作ってみようと思う。

熊本地震で腹空かせている人がいるというのに、こんなのアップしてしまったが、物資を運んできたトラックが半日も待機状態であると聞くと、どうなっているんだろと思う。東日本大震災から5年でまたこんな大きな地震がくるとは、何かとても不安な気持ちにさせられた。震度7の2日後にマグニチュード7,3の本震がくるのも初めてのパターンらしいし。これでもし東南海地震でもきたらどうなってしまうだろう。とても他人事とは思えない。

竹輪作りは成形と火加減がキモ

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昨日は1日雨で、朝一番は久しぶりに包丁研ぎをし、大きい出刃の切っ先の鎬(しのぎ)のラインを大きく上げ、厚みを削って薄くした。というのも、赤錆びで地肌が見えいない出刃を頑張って使えるまでに仕上げたけど、思ったほどの切れ味が出なかった。どうしてだろうと考えてたら以前の使用者が刃線を直線的に研ぎ込んでいて包丁の先端部のそりがなくなり、全体が三角形になっていたことに原因があると気づいたのだ。

そりの膨らみが無いから刃先から鎬までが狭く、魚に刃を入れたときに鎬の出っ張りにすぐ当たって抵抗となっていたのだ。荒砥で鎬のラインを大きく上げ、厚みを削って刃先から峰まで引っかかりの無いようにしてみたが、これでだいぶ改善されただろうと思う。

包丁研ぎのあとは干してビニール袋に入れておいたコンブを短く切って袋詰め作業。1日分120本ほどのコンブが40袋ほどになったのだ。これも根のいる仕事で細いのはそのままハサミで切るだけだが、中と大は丸まったのを一つ一つ広げて切るからそこそこ時間がかかる。まあ、釣り船はサービス業だから唯一漁師らしい仕事というわけだ。

で、昼からは冷蔵庫にタッパに入れて残しておいたオキギスのすり身を今度はヤマイモをつなぎにして練りこんでみた。豆腐よりドロドロになったが粘度は高いように思える。昨日はこれの一部を使いまた竹輪を作ってみたのだ。前回の写真のは短いしよく分からなかったから、というのもあるが駅前の店で美味しかったからも一度というリクエストがあり、調子に乗って少し大きいのに挑戦してみた。

ま、焦げているけど竹輪には見える。添加物のまったく入らぬ昔ながらの焼き竹輪である。竹にすり身をくっつけるのと焼き加減が難しくすぐ焦げてしまうけど、竹の穴が空いたのができるとなんだか嬉しくなるし茶色くシワシワの皮も感動もの。昨日はその後当然のごとくこの竹輪と新コンブを駅前の店に持ち込んだのであった。


オキギスのすり身で竹輪も作ってみた

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左上のシワシワで焦げ目の付いているのが短い竹輪で、右の白いのが見えるのがウズラの卵入り。上の右から3つ目の黒いのがコンブ入り。あとは入り乱れて見分けがつけられぬ。

日曜日にお客さんからオキギスをたくさんもらい、7匹を船で下処理して持ち帰った。料理の手順を少し紹介すると、船での作業はまず頭と尻尾を落とし、ウロコや内臓を取り、血合いをできるだけ残さないようきれいにする。それを自宅の台所でもう一度塩水でよく洗い、水を切って3枚におろす。

次に腹骨を引いてからスプーンで身をこそげ落とし、それをすり鉢に溜めていく。すり鉢が小さいからギスが7匹もあると山盛りになってしまったが、後で練り身を半分以上保存のためタッパに入れ、重さを計ってみたらタッパ分を引いても500gほどあったから、全部で800〜900gの身が取れたことになる。
中骨やガンバラ(腹骨)、身を取った皮などはスーパーの袋に新聞紙を広げて入れ、その中へ捨てていく。

この後が大変で、すり鉢山盛りの梳き身を練っていくが、まず塩を振り、身をすりこぎで潰していく作業をする。塩を何度か追加し潰しているとなんとなくモチモチと固まってくる。そしたらミリンを加え、トントンと小さく叩く。そうしていくとまた硬くなるから、今度は酒を足して同じようにする。今回は前回のさつま揚げよりもっと軟らかくするため木綿豆腐を水を切って入れ、卵白と片栗粉を加え、またトントン叩く。トータル1時間以上練ったり叩いたりしただろうか。

フードプロセッサーがあれば簡単だろうなと思いつつも、まあ美味いのができるのが楽しみで豆腐のつぶがほとんどなくなるまで頑張って練った。粘度はミリンと酒ばかりでは味が不安で最終的にかつおだしで調整し、その都度揚げて味見し、塩気や甘さを調整した。これで信じられないほど軟らかくなったし、包丁の切り口も滑らかで美しかった。

そして今回色々トライし「うずらの卵入り」「たまねぎ入り」「にんじん入り」「コンブ入り」そして「焼きちくわ(竹輪)」を作ってみたのだ。竹輪は裏庭から枯れた細い竹を切ってきて、これに油を塗り、バター用のナイフですり身を貼り付け成形し、コンロでクルクル回しながら焼いたのだ。ま、試しなので短いものだが、なんと上手く竹の輪の穴が空いたのができたのである。これはちょっと感動もの。

写真はごちゃ混ぜでどれがどれかよくわからないが、左上のシワシワの2本が焼き竹輪で、右の白いのが見えるのがうずらの卵入り。これの半分を駅前の店に持ち込み食べてもらったらみなウマイウマイと言ってくれた。まだすり身が500g以上残っているから次はヤマイモをつなぎにして色々作ってみようと思うが、木綿豆腐がこれほど合っているとは予想外だった。


「白銀林道/野生生物探検記」14

●リスの住む森

17、野生生物探検隊を発足する

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大勢で自然観察するとまず動物には出合えないが、たくさんの目が私が気付かないものを発見し驚かされる。
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フクロウの巣から取り出したペリットを林道に広げて観察しているところ。主にネズミが多かったがのちに隊長がリスの骨も発見。


 初めてハクビシンを見た翌年の2008年1月、神奈川県藤沢市在住の動物学者福田史夫さんに隊長就任をお願いし、私が隊員で「湯河原・真鶴/野生生物探検隊」を発足させた。昔から探検や冒険的なことが好きでいつかは⚪︎⚪︎探検隊を作ってみたいと思ってたから、チャンスだしいい歳だけど遊び心でやってみることにした。
 この頃リス観察も一人でやるには手詰まり状態となり、あちこち野生動物関連のホームページを探していたら、若い頃湯河原の森でサルを何年も追いかけた霊長類学者で「箱根山のサル」の著書もある福田さんを知ったのだ。福田さんは湯河原の森のほとんどを歩かれているし、動物全般に詳しいし、まさに私の先生として願ったり叶ったりだった。
 そのあとすぐに若い頃同じプロダクションで仕事したk-ta(ニックネーム)とその夫である鈴木庸夫(いさお)氏も隊員になってくれ、鈴木氏は著書のたくさんある植物写真家だし、k-ta隊員も手伝っているから植物に詳しいし、かなり本格的な探検隊ができあがったのだ。
 その後も清川村に住み植物や鳥を観察し清川村の植物図鑑を出されている藤田千代子さん、厚木市在住で藤田さんと親しいこちらもかなり自然に詳しい博物館の手伝いなどされている酒井さん、隊長の専門学校での教え子、矢部さん、柏木獣医らが加わり人数も増え強力な布陣になったのだ。
 藤田さんは丹沢の麓の清川村在住だからちょくちょく自然観察されているが驚かされるのが酒井さんで、厚木から宮ヶ瀬ビジターセンター(たしか)へ手伝いに通う早朝、一人であちこちの森へ入り植物観察をされていたこと。また柏木獣医は正式な隊員ではないけど、箱根仙石原で野生動物専門の動物病院を開かれている素晴らしい方で、リスとムササビの切歯の写真をくださったり私の写真展をのぞかれたりした。
 探検隊の名前を「湯河原・真鶴」としたのは私の自然観察は地元だけにほぼ限定してるからで、他の隊員にはただの「野生生物探検隊」でいいのである。
 このメンバーで林道を歩くともう大変。ともかくあちこちで何かに引っ掛かり喧々諤々と検討が始まり、めずらしいものがあると本格的な撮影もするしで、ちっとも前へ進まないのだ。その上、植物の話など会話がちんぷんかんぷんで何を話しているかすら分からなかったりする。でも、とても楽しいし、勉強になることばかり。
 当時、私は植物オンチで何も知らず、たとえば「これ何?」と聞いたら全員が振り返って大きな声で「ええっ、アオキを知らないの!」って具合に呆れられたりした。アオキってどこにでもある植物で自然観察する人は誰でも知ってるものだったのだ。これが何度も続いたので、isa隊員が新刊の「日本の野草300」冬・春編、夏・秋編2冊をプレゼントしてくれたのを機に一念発起して植物を覚えることにした。
 動物や鳥、昆虫のエサは植物が多いから名前が分からないと理解が進まないし、糞の中の植物の種を見ても食べたものがさっぱりだと、これも情けない。後にisa隊員は「種子と果実」の本を出したから、これも大変助かったし、「樹木図鑑」や「樹皮と冬芽」もくれ大いに救われた。
 また、初めて見た植物をブログに載せて質問するとすぐに藤田さんやk-ta隊員が教えて下さり、とても助けられた。私の場合、花ではなく植物そのものを手当たり次第に見ていったから、葉や茎で同定することが多く、図鑑だけでははっきりしないものが多かったのだ。
 マツ枯れが進み、リスを直接観察するのがたいへん厳しい状態となった頃から3、4年間植物中心の観察が続いたのである。このおかげで難しいイネ科やカヤツリグサ科、シダ類を除いた草木の名前が少し分かるようになり、森の理解が一歩進んだかもしれない。
 隊長は隊長でいまホームグランドとしている丹沢の山々を毎週歩き、主に動物の糞を拾いその内容物を調査されている。結果はブログ「故有事」にその都度アップされているが、テンやタヌキ、ハクビシン、アナグマなどの糞には植物の種子がとても多く、動物を理解するにはやはり植物の知識は外せないのがよく分かる。
 隊長の糞調査から見えたのが、これら食肉目の動物がエサの少ない冬から春に落ちたサルナシやマメガキ、ケンポナシはもちろん、キブシやツルウメモドキなど小さく栄養のなさそうなものまで頻繁に食べていたこと。本来は肉食のはずだがエサがないとここまでするのである。
 この探検隊のメンバー数名が私の船に乗り一度釣りをやったことがある。釣った魚を駅前の店に持ち込み親睦会となったが、残った魚や料理、刺身にしたタイの頭やアラなどをそれぞれ持ち帰りきれいに食べきってくれた。ふつうあまり見ることのない光景だったし、あとでネコも舐めるところがないほど食べた様子を聞いてとても感動したが、このとき日頃野生に接しているからこそこの結果で、当然なのだな~と思ったのだ。


「白銀林道/野生生物探検記」13

●リスの住む森

16、ハクビシンも現る

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ビートベッドでリスを待っていてふと気づくと林道上にハクビシンポツンといて、トコトコ近づいてきた。

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途中、落ち葉のたまりの中に何かいたのか気になる様子で匂いを嗅いでいた。

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5メートルぐらいまで接近し、私の匂いに気づいたのか鼻を高く上げ逃げ腰に。この写真も上の写真も元画をロストしたが今回一番上の一点が残っているのを発見した。


 写真のハクビシンを撮影した日付は2007年3月22日となっていた。
 このハクビシンも檜からヤシャブシへ続くリスの橋を誰か渡らないかと桑の木の下で待っていたとき、ふと気づくと路上にポツンといたのである。動物の出現はほんと不意なことが多くいつもエッと驚かされるが、特に舗装道路の場合、足裏の肉球の消音効果か、まるで足音が聞こえないから視線を移したらそこにいた、という場合がほとんど。
 そして、こちらもじっと音を立てず身動きも最小限におさえているので、相手も気づかないのだ。リスに初めて遭遇したときに不思議だったのが、相手から丸見えで、しかも2メートルと離れてないのにまるで私が透明人間であるかのように気づかなかったこと。
 ハクビシンが現れたときもビーチベッドに座ってはいるが、姿が見えているはずなのに林道をトコトコ歩いてどんどん近づいてきた。しかし、10メートルほどに接近すると何か異変を感じたのか、鼻を中空にもたげて匂いを嗅いでいた。そして5メートルまで近づいてやっと気づいたのだ。
 そこから早足で戻っていったが、このとき野生動物は動くものにはすぐ気付くが、動かずじっとしていると分からない性質をもっていることを確信した。視力が悪く、図形認識も弱いのだろう。視力よりも匂いを嗅ぎ分ける鼻や耳の方の情報がまず先にあるのかもしれない。
 またハクビシンはクマやテン、霊長類などと同じ足裏全面を地面に付けて歩く蹠行生動物で、尻尾も太く長いから安定感がよく木登り上手で、テン同様木の実を好んで食べている。この初めての遭遇からのちに何度も見ることになるが、あるときなど2メートル以上の高さの垂直なコンクリート壁を頭を下に向け這うように降りてきたことがあった。
 普通ならドスンと落ちると思うが、体を壁に密着させゆっくりと降りてきたから驚いた。よほど体が柔らかいのか。知り合いが電話線の上を歩いているハクビシンを見つけ水道のホースで水をかけても落ちなかったと言ってたからバランス感覚がとてもいいようだ。
 しかし、ハクビシンの糞は1000メートルの山の上でも見るし、もちろん林道にも多いし、海岸近くで姿を確認しいてるしと、いまやどこにでも生息する外来種。こんなに身軽でなんでも食べ、人家の天井裏で寝たりするから、テンやタヌキよりはるかに数が多くなっているかも。ハクビシンには天敵もいないし、これから先もどんどん増えていくだろう。