湯河原・真鶴の野生生物を観察し、写真に記録すること。
森林率94パーセントの上野村は幸福村


一昨日、真鶴町民会館で内山節氏の講演会があり、なんとなく落ち着かない気分で行ってきた。参加者が40、50名ほどと少人数で内山氏に申し訳ないような、しかし私にとってたいへん贅沢な時間で、話の内容も興味深いものだった。

内山氏が真鶴へ来ることになったのは、私の知り合いの診療所の先生に、内山氏の著書「里の在処(ありか)」を貸したのがきっかけで、先生がその後内山氏の熱心な読者となり、診療所が月1回主催している、地域医療を考えるフォーラムに今回特別講演者として呼ばれたわけだ。

内山氏の話はいくつかテーマがあったが、その一つに東京都の住民で独り住まいの10パーセントの人が、死んでも引き取り手がないことをあげられていた(たしか)。ちなみに全国では5パーセント。
また、東京の独り住まいの男性の20パーセントが2ヶ月間誰とも口をきいたことがない、とのデータも(たしか)。

他にも個人と社会のありようなど、色々話があり、「これではまともな社会の体をなしてないでしょ」と内山氏。
「そろそろ本気になって何とかしないと」(わりとさらっとそんな風に)

内山氏はいま人口1400人の群馬県上野村で半分、東京で半分の生活を送られている。氏は東京生まれではあるが、上野村の古い農家を手に入れ、畑で野菜を作り、川で釣りをする、いまや一番心の落ち着く好きな場所であると。

その上野村は経済的にみると収入の少ない山奥の貧しい村に思えるが、みなそれぞれが地域社会や家庭で役割をもち、生き生きと生活しているという。

そして、すごいことに村全体で経済に席巻された現代生活を見直し、昔の生活へ回帰しようというのだ。ただ、薪で火を起こすかわりに、バイオマス発電機をドイツから買い、豊富な間伐材などからチップを作ってそれを燃料にするようなもの。
バイオマス発電機が3基あれば村中の電気をまかなえるが、とりあえず1基で様子をみるらしい。

もっと感心したのが、ゴルフ場を造る話がもちあがったとき、村民みなで反対し、計画を頓挫させたこと。普通なら過疎だし、雇用が生まれる、金が落ちるなんて賛成多数ですぐ決まりそうに思えるが、そうならないなんてすごいこと。

村民はみなが森や自然、仲間と繋がって生きることの素晴らしさを知っている。内山氏はまた村のあちこちで名もない小さな石仏が2000だったか3000だったか発見され、いまもその探索は続いていると言われてた。
上野村の年寄りの死生観も面白く話されていたが、自然の生活とは死ぬことと生きることが一体となったようなものなんだろうと思った。

これが私の生まれた田舎では置き去られてきたし、日本全体の多くの地方が同じ道をたどっているのだろう。上野村が米ができない山村で、私の田舎が田んぼのある、農村という違いもあるが、このより経済に毒されたエリアの再生はままならないものがある。

ま、その話は別にするとして、感動だったのが、講演後に内山氏を囲んだ数名の食事会がもようされ、私もそれに呼んでいただいたこと。テーブルを挟んで斜め前が内山氏だったから、なんだか酒をがぶがぶ飲んでしまい、話の腰を折るようなトンチンカンな発言をしたりと、いま思えば冷や汗もの。

ただ、思い切って船釣りに誘ったらチラッと好波が返ってきた。たまたま教え子が真鶴にいて、食事会にも同席してたのだが、私が名刺もないものだから「つながりを保っておくように」的なことを言ってくださった。

私が年初にやった写真展の一部写真を診療所に貼ってあり、それを見られたのだろう、ウサギの写真の表情の話をされたりしてたから、わっと思ったが、そんなのも効いたかもしれないね。
ちょっとうれしい、自慢話になってしまった。いい歳して、ミーハーだね。


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