湯河原・真鶴の野生生物を観察し、写真に記録すること。
枝の上にクルミの半割が

2015:8:18:5984


今回の話は前項の散策のことと意外な場所で遭遇したリスの2本立て。

檜林の中へ少し入り込んで林床を観察してたとき、クルミが半分にされたリスの食痕をいくつか見つけた。近くの遊歩道脇にクルミの木が3本あるが、まだ10才を超えたばかりで、5、6年前までは背丈が低いし枝も短く実も少ししか生らずリスもあまり利用してないだろうと思っていた。

しかし今年あらためてしげしげ見上げたら、もう立派な木になっていて、枝振りもよく上空の天敵から隠れられるほど葉も茂っていた。そんで18日に見たときは初夏にたくさんあったクルミもほとんど無くなっており、これはひょっとしてリスが来ているかも、と思ったばかり。

その結論が写真である。林床だけでなく、ふと目の前の枝の上に現れた半割のクルミ。強い風が吹けば落ちるし、雨上がり後なのに中に水もたまってないし、ひょっとして食べたばかり。雨を枝がかわしたとしても10日も前のものではないだろう。
リスの総数は少なくなったけど、二本木、三本木を含めて10本ほどクルミのあるエリアでは細々と命をつないでいるようだ。


大移動中のリスと遭遇


少し前の項目で触れたが、一匹のリスと信じられないような場所で遭遇したのである。そこは草原の周囲を走る舗装された遊歩道上で、尾根となっているところ。ここはリスが生息できる森はなく木がほとんどない見晴らしのいい3キロ四方ぐらいのオープンスペース。この真ん中近くで、まさかリスに出会うことは想像すらできなかったのだ。

この場所をもう少し詳しく説明してみよう。
尾根の高い方から海方向を見下ろすと、湯歩道の左手に小さなヤシャブシの林があり、その先は広い草原の谷となっている。
反対の尾根の右手には一面ハコネダケが密に茂ったブッシュの深い谷があり、対岸の尾根は同じ高さの南郷山という山になる。ここにはリスが生息しているが、南郷山の尾根まで直線で結んでも1キロぐらいあるし、密度の高い笹ブッシュの中は通り抜けられないだろうと思ってた。
また左手の草原を越えることもリスには無理だろうと思えるが、もし越えられたとしても、松のある森までゆうに1キロ以上はある。

尾根から海方向を見て、背中側にも南郷山と続く山があり、エビフライの見られる松林がこれも1キロ数100メートル先にある。ただここへ行くまで笹ブッシュが続き、リスが登れる最初の木までも1キロはある。海側には松のある森はないし、開けているからリスがそちらに下っていたとは思えない。
リスはこの尾根の遊歩道をまたぐヤシャブシの枝にいて、左のヤシャブシばかりの小さな林へ逃げ込んだが、そこにはエサはないし、先はカヤの草原で木はないし、ここでいったい何をしていたのだろうか。

このリスはおそらくなにかの理由で大移動の途中だったろうと思う。そして、リスが来たのは四方の内の右手、南郷山からで、深いブッシュの中にところどころに木が見られ、この根元あたりに獣道でもあってそこを走って来たのではと推測した。

しかし、南郷山からここまで短くみて1キロとしても、ここから松のある森まで草原方向、北方向とも1キロ以上の距離がある。もし引き返すとしても往復2キロ。草原を越えるような行動をとったら一日の行動距離が3キロ以上になることもありそうだ。
行動半径が250メートルとか、300メートルと言われるリスだがこのことから一日に2キロ以上も移動することが分かった。リスの行動距離が言われているのよりずっと長いはずと考えてきたけど、この偶然の遭遇ではっきりした。

クマタカを見た水源あたりのリスの巣から、写真のクルミの木までは森の中を直線で結んでも1キロ半はありそうだし、もっとも近いクルミで1キロほど。その直線上にクルミの殻を何度か発見していて、片道1キロは移動してると思ってたからこれですっきり。

しかし木のないオープンスペースをリスが行くか(?)。ン?、ということはオオタカやノスリの天敵がいなくて、しかも草原へ続く獣道の日中移動なのでテンもイタチも昆虫など食べに歩かない(?)。ただトンビはいつも飛んでるね、これが唯一危険で、案外安全なのかもしれない。少し考え直さなきゃ。



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コメント
この記事へのコメント
行動域や移動距離の問題、非常に興味深いです。サルでは、植生によって群れのサイズや行動域の広さが異なる。さらに食性には地域差があることが解っている。
リスの食性の地域差はどうなのだろう。
さらに、親元から分散した子供はどのくらい遠方に移動するのだろうか?
サルでは奥湯河原のサルが波勝崎まで3頭分散移動した例が知られている。
もう、すでにリス研究では明らかにされているのかな?
2015/08/25(火) 22:11 | URL | fukuda,fumio #-[ 編集]
ニホンリスの行動圏の研究は少しあって、クルミの多いエリアでは♂で5、6ヘクタール、田村典子さんが富士山の亜寒帯ゴヨウマツやカラマツエリアで調査したのがたぶん一番広くて♂で20〜30ヘクタール。

でも、分散移動の研究論文はまだ目にしてません。

私が見た大移動は分散移動の可能性が高いように思いますが、数が少なくなっているので、♀を求めてというのもあり得ますね。

ここ数年、子連れの♀に出会ったことがないです。
2015/08/26(水) 08:29 | URL | take隊員 #TY.N/4k.[ 編集]
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