湯河原・真鶴の野生生物を観察し、写真に記録すること。
「白銀林道/野生生物探検記」9

●リスの住む森

12、ホンドテンとホンドイタチの出現

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2005年56月1日に撮影したホンドテン。ヤシャブシの橋を渡り、ブッシュへ消えたと思ったらヒョイと顔を出しこちらを観察した。
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テンより小型のホンドイタチが林道に現れ縁石を登り私の方へ近づいてきた。イタチも子育てする鳥など狙っているのだろう。

 テンやイタチの写真が、まさか動物カメラマン修行を始めたばかりのわたしに撮影できるとは思わなかった。 
 2004年、テンらしき姿は見ているが、ほんの一瞬のことでレンズを向けることすらできなかった。それに、テンは本来夜行性で行動範囲も広く、探してもまず出合うことなど不可能だと思っていた。実際、ネットなどのテンの写真は夜間の自動撮影のものが多い。
 ところが、2005年6月1日のことである。リスの橋のヤシャブシの根元近くを注視して待っていたら、反対の檜側からドサッというとても大きな音がして何かが飛び移るのが分かった。驚いて見ると、なんとリスよりずっと大きな動物だった。
 カメラで動きを追ったが、とらえることができず一気に枝を駆け抜け、ブッシュへ消えてしまった。と、思った瞬間、なんと、また戻って木に登り、ヒョイっと顔をのぞけ、こちらを見るではないか。慌てて3度シャッターを押したら、ぶれてはいたが、なんとかはっきり分かるものが一枚だけ写っていた。
 こいつは尾が黄色いしテンのようだが、顔が黒くて何者かよく分からなかった。あとで調べたら、これは夏毛のテンであることが判明する。
 その一週間後、今度はテン狙いで待っていると、午後1時30分ごろ、リスの橋の下の林道を渡る黄色い毛の動物が現れた。林道を横断し、縁石を登ったから、ブッシュへ消えるだろうと見ていたら、なんと縁石の上を歩いてどんどんこちらへ寄ってくる。
 最初、テンより小型だし、テンの子供かと思ったが、調べてみるとホンドイタチだった。イタチは子供の頃遠くで何度か見たが、茶色くてこれとどこか違うように思えた。チョウセンイタチというのもいるから、田舎のはそれかもしれない。
 そして、午後3時30分。
 またもやリスの橋の樹上でドサッと大きな音がして、前と同じ姿のテンが現れた。
 今度も一気に走り抜けてしまうかと思ったら、途中コブのところで一度止まった。そこで、なんとこちらを観察するそぶり。ここぞチャンスとばかり心を落ち着け、3度シャッターを切り、一枚にばっちりピントが合っていた。
 リスのかわいいポーズのアップ写真を撮るのが夢だったのに、初めてうまくいった写真が、もっと難しい昼間のテンになってしまった。
 2004年の同時期にテンを見たおりも山側のリスの巣の方へ上がっていった。これが3度短い期間に重なったから、テンはリスの子を狙っているかもしれないとぼんやり思っていた。
 しかし、今回はリスが通路としている高さが10メートルほどある同じ橋を檜の根元から垂直に上り、その枝先からごく細いヤシャブシの枝に飛び移ったのだ。こんなことは体重が230グラムほどと軽く、鳥のように身軽なリスにしか不可能で、リス専用の橋と考えていたから、まさか何倍も重さのあるテンに同じことができるとは思いもよらなかった。
 それが、6月1日に続き、6月6日も現れた。それにともないリスが出る回数が少なくなる。しばらく現れなかったときは、すでにリスの子がテンに喰われてしまったか、それとも別の巣へ引っ越したかと不安になった。
 あの木登りの上手さなら、リスの巣まで登ることなどいとも簡単にやれるだろうし絶体絶命のように思えたのだ。
 だが、6月12日、撮影をあきらめ、生きていることだけでも確認したいと、遠くから観察していると、1匹のリスがいきなり目の前5メートルの枝に現れ、前年よく現れたあの桑の木を渡って行った。さすがに、テンと同じ道は避けたのか、ともかく全滅だけは免れた、と勝手に安堵する。
 しかし、その後も6月19日の午前9時過ぎと24日の同じ頃テンが現れ、リスも通路を桑の木に変更してから頻繁に出るようになって、テンはリスだけを狙っているわけではないような気がしてきた。
 天敵が同じ道を通るから、匂いを追っているものとすっかりそう思い込んでいたが、林道周辺にはノウサギもいればキジや小動物、鳥などたくさん子育て中である。これまでノウサギの死骸を林道周辺で2回見ているが、これもテンの可能性が高そうである。

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リス探しの始めの頃、多くのトンビが林道脇の上空を低く舞っていて、海の鳥山のようだし何かあると思い踏み込んでみたらこれが転がっていた。あとで気づいたが、トンビが食べずに舞っているのは、私が近づくまで誰かが食っていたということだろう。そのときは病気で死んだものと思ってた。

 もちろん、リスも狙うだろうが、よく考えてみたら、リスだって、巣のある木に直接登るようなヘマな真似はせず、隣の木や、もっと離れた木から枝伝いに巣へ戻るはず。
 巣は真下から見上げてもまず見つからないし、テンが匂いや目だけで探しても、そう簡単には見つけられないだろう。また、リスは複数の巣をもつと言われているから、子供を移して的を絞らせないようにしているかも。
 それに、松の木ばかりに巣を作るのは、もしテンが登り始めたら、松の樹皮なら大きな音がするし、早めに逃げることもできる、なんて推理してみた。まあ、これは事実かどうか分からないが、少なくとも親リスが簡単に食われることはないように思えてきたのだ。
 ただ、素人は一つの事象からすべてこうであるだろうと推理したり、ストーリーを作り上げたりと、勝手に思い込みがちである。それは釣りで何度も経験していること。
 推理に推理を重ねても、別の一つの事実の発露ですべてがひっくり返るのだ。希望的観測はよさなければと深く反省する。


ここまで書いて終わっていたのを、一部訂正や加筆してアップしてみた。次回から新たに書き起こして続きを。
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