湯河原・真鶴の野生生物を観察し、写真に記録すること。
「白銀林道/野生生物探検記」10

●リスの住む森

13、桑の木の橋を縄張りとするオスリスを「小鉄」と命名

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2005年6月25日撮影。尾が「へ」の字に曲がり、右耳の中程が「コ」の字形に大きく欠けたリスを「小鉄」と命名。睾丸が黒ずんで膨らんでいるのは生殖期のオスリスの特徴。オープンで危険な松の橋の上で毛づくろいを始めた。小鉄の巣から10メートルぐらいの場所。
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松の橋のとなりにあるミズキの枝に現れた小鉄。拡大してみると右耳がコの字に欠け、尾がへの字である。後ろの松が上の写真の松。
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桑の木の橋の反対側の木へ現れた小鉄。その距離5メートルもないぐらいで、私を見ながらどうしようか迷っているが、慣れを感じさせる姿だ。松の橋を渡り、山側のブッシュを走り、桑の木の橋へ渡ろうとしている。


 私は撮影した写真を情報を得るため何度も見直しているが、桑の木やミズキ、ヤシャブシの橋に出てくるリスの写真を見ていて一匹のリスの尾の形に特徴があるのに気づくようになってきた。
 尾が「へ」の字状に曲がっていて、リスらしく尾を丸めた姿をしないのだ。これで個体識別できないかとピンボケ写真まで詳しく見ていくと、2005年6月25日に撮影した尾がへの字のものの中に右耳の中程がコの字形に大きく欠けているオスリスの写真があった。
 オスと分かったのは生殖期に入ったオスリスは睾丸が膨らみ黒く色づくことから。
 それからまたすべての写真を調べなおしたら、尾が曲がりコの字に欠けた右耳の個体がたくさん確認できたのだ。尾が中折れしたり耳が大きく傷ついているから、当時流行っていたマンガの「じゃりん子チエ」に登場する傷だらけの歴戦の強者猫「小鉄」みたいで、その名前をもらい「小鉄」と命名したのである。
 この小鉄の個体識別ができたことと、小鉄が松の橋の隣の松に発見した巣に入る写真から、桑の木の橋の実を食べに来た別個体がいたことや、東へ50メートル離れた別の桑の木に何度か出た親子連れを桑の橋で見ないことなど分かってきた。
 また、桑の橋から東へ100メートル離れたあたりにも巣をいくつか発見し、小鉄とは別のリスが生息しているのが分かったし、その近くのミズキや桑の木にも何度か見ているし、リスは他の個体と意外と接近した生活をしていたのである。


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桑の木の橋から東へ100メートルで撮影した子リス。この周辺で親子連れを何度も見ているし、巣もいくつか確認している。追記:思い出した、このときは2頭の子リスが追いかけっこしてて、この木の上にもう一頭がいて、この子が追い詰めていたのだった。逆だ、この子が上のリスに何度も追い払われ、登ったり降りたりを繰り返していたのだ。噛み付かれたと思える鳴き声も上げていた。やはり記憶は危ういね。

 そして、私がたまたまビーチベッドを広げたのが、小鉄の巣近くで生活のど真ん中だったわけである。だけど、この長くたくさん実をつける桑の木やミズキのある魅力的な場所を捨てるわけにもいかず、何時間も陣取る私にかまっていられないと腹を空かせて出てくるようになったのだ。
 その後、別の桑の木をチェックしていて、ここから2キロ近く西の桑の木の実を食べるリスも観察できるようになったが、しかし小鉄のように姿を堂々とさらけ出してくれることはなかった。
 なぜ小鉄だけが出てくれたのだろうと考えてみたが、やはり私が何度も通ってきて、危険がないのを知り、慣れたのだろうと思えた。また、桑の木が15メートルぐらいと高いのと、橋を渡り逃げることもできるし、一度飛び出してみて恐怖が軽減されたかもしれない。
 それと、ビーチベッドで待っていたとき、林道の先からノスリが低空飛行してきて、目の前数メートルで慌ててターンして逃げたのが2回あったが、小鉄は人間を利用してノスリを回避してたかもしれない。
 ノスリはリスがいるときは上空を旋回していることが多いし、いつかリスの橋の枝に止まっていたこともあったが、私がいれば、少なくとも近づけないだろうし、テンだっていやだろう。のちに、ノウサギがテンから逃れるのに私を利用したことがあり、状況は違うがリスだって利用するかもと考えたのだ。


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コメント
この記事へのコメント
個体識別ができると観察するのが毎日でも楽しくなるねぇー。右耳の中ほどの切れ込みや「への字」型の尾は、木々を飛び回ってできたのではなくて、他のオス個体との争いから傷ついたと考えて良い訳ですね。
そうなると、サルは群れ生活しているから争いは日常だから、耳や手や顔に怪我するので、それが年齢(大きさ)と性別の関係で個体識別がしやすくなる。リスも耳や尾に怪我するなら、指はどうなのだろうか?
中指が曲がらないとか、薬指が途中で欠損しているとか、あるいは爪が白化しているとかありそうだ!
しかし、小さいのに良く耳の切れ込みが判った。凄い!

写真は素晴らしい!
2016/03/19(土) 16:34 | URL | 三四郎 #-[ 編集]
耳の欠けたリスは多いですね。先端が欠けたのとかいろいろいます。指は分かりませんが尾だとか出っ張ったところに噛み付くのでしょう。

写真は拡大できるのでいいですね。
2016/03/20(日) 05:24 | URL | take隊員 #-[ 編集]
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