湯河原・真鶴の野生生物を観察し、写真に記録すること。
「白銀林道/野生生物探検記」12

●リスの住む森

15、マツ枯れが進行しリスの姿が少なくなる

2009:12:1:1908

4078:2


 リス観察を始めて4、5年目ぐらいから白銀林道周辺のマツが急速に枯れてきた。それ以前からもマツがポツポツ枯れているのは分かってたが、リスの巣が掛けられたよく見知ったマツが何本も枯れるからその感が強くなってくる。
 そして、あらためてマツ林を見直してみると、マツ枯れは恐ろしいほど進行していて、一部のエリアで全滅のようなところもあった。マツ枯れは枝先のほんの少しのマツ葉が茶色に変色したのが見えたらそれから1年もかからず全部のマツ葉が褐色になり枯死してしまうのだ。
 その原因はマツノザイセンチュウという線虫が樹体内部の管類を閉塞させ、水を吸い上げることができなくするため。マツノザイセンチュウは自らは移動できずマツノマダラカミキリによって媒介されるが、これを防ぐことは莫大な労力と費用がかかるため行政も手出しができないままただ眺めているだけなのかもしれない。
 白銀林道周辺のマツ林は2007年ぐらいから数年の間、著しくマツ枯れが進行し、始め10パーセントぐらいだったのが2、3年後90パーセントまで枯れてしまった林もいくつかできた。こんなマツ林にも以前ならエビフライがたくさん見られたのに、リスは巣も掛けられずエサもないから当然のごとく姿が見られなくなってしまったのだ。
 小鉄の桑の木の橋の縄張りにあったマツの橋もその隣のマツも枯れ、その枝で毛づくろいしたり逢いびきする姿はもう写真の中だけの記憶になってしまったのだ。マツの橋から東へ100メートルあたりにあった数個の巣のマツも枯れたし、オオタカが現れたり、クマシデのある遊歩道のリスの巣のマツも枯れてしまった。
 死んだ子の年を数えるようで虚しいのだが、マツ枯れは当然ながらリスの生活環境を極端に歪めてしまいその数を大きく減らした。マツはあってもエビフライが見られなかったり、新しい巣を発見することがほとんど無くなってしまったのだ。
 マツ枯れした林が数年経てばもともとマツが無かったかのように見える。丹沢周辺の山にはマツが少ないが、白銀林道よりずっと前にマツ枯れがあったのだろうと思う。その丹沢にはオニグルミの木がたくさんあり、多くのリスが生息している。その巣を掛ける木はマツが無いからか朴木や杉だったりクルミだったりとまちまちで冬場葉が落ちて巣が丸見えなのもあるから驚かされる。
 なので、白銀林道でもリスの巣木が変化している可能性も考えられる。林道の西端でモミの木に掛けられた巣を一つだけ発見してるから、人や猛禽などの視線圧のある林縁にマツが無ければその代りを探すはず。マツ枯れは止まりはしないが、いっときの勢いはなくなり、徐々に減ってきているようにも見える。
 リスに出合う機会はだいぶ少なくなったが、新しく巣材を採った杉の木を何本も見ているし、枯れたとはいえエサの松ぼっくりのなるマツはまだたくさんあるし、とりあえずは細々とでも生き繋いでいくだろうと考えている。
 
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