湯河原・真鶴の野生生物を観察し、写真に記録すること。
「白銀林道/野生生物探検記」14

●リスの住む森

17、野生生物探検隊を発足する

1298248603.jpg
大勢で自然観察するとまず動物には出合えないが、たくさんの目が私が気付かないものを発見し驚かされる。
2014:6:2:1901
フクロウの巣から取り出したペリットを林道に広げて観察しているところ。主にネズミが多かったがのちに隊長がリスの骨も発見。


 初めてハクビシンを見た翌年の2008年1月、神奈川県藤沢市在住の動物学者福田史夫さんに隊長就任をお願いし、私が隊員で「湯河原・真鶴/野生生物探検隊」を発足させた。昔から探検や冒険的なことが好きでいつかは⚪︎⚪︎探検隊を作ってみたいと思ってたから、チャンスだしいい歳だけど遊び心でやってみることにした。
 この頃リス観察も一人でやるには手詰まり状態となり、あちこち野生動物関連のホームページを探していたら、若い頃湯河原の森でサルを何年も追いかけた霊長類学者で「箱根山のサル」の著書もある福田さんを知ったのだ。福田さんは湯河原の森のほとんどを歩かれているし、動物全般に詳しいし、まさに私の先生として願ったり叶ったりだった。
 そのあとすぐに若い頃同じプロダクションで仕事したk-ta(ニックネーム)とその夫である鈴木庸夫(いさお)氏も隊員になってくれ、鈴木氏は著書のたくさんある植物写真家だし、k-ta隊員も手伝っているから植物に詳しいし、かなり本格的な探検隊ができあがったのだ。
 その後も清川村に住み植物や鳥を観察し清川村の植物図鑑を出されている藤田千代子さん、厚木市在住で藤田さんと親しいこちらもかなり自然に詳しい博物館の手伝いなどされている酒井さん、隊長の専門学校での教え子、矢部さん、柏木獣医らが加わり人数も増え強力な布陣になったのだ。
 藤田さんは丹沢の麓の清川村在住だからちょくちょく自然観察されているが驚かされるのが酒井さんで、厚木から宮ヶ瀬ビジターセンター(たしか)へ手伝いに通う早朝、一人であちこちの森へ入り植物観察をされていたこと。また柏木獣医は正式な隊員ではないけど、箱根仙石原で野生動物専門の動物病院を開かれている素晴らしい方で、リスとムササビの切歯の写真をくださったり私の写真展をのぞかれたりした。
 探検隊の名前を「湯河原・真鶴」としたのは私の自然観察は地元だけにほぼ限定してるからで、他の隊員にはただの「野生生物探検隊」でいいのである。
 このメンバーで林道を歩くともう大変。ともかくあちこちで何かに引っ掛かり喧々諤々と検討が始まり、めずらしいものがあると本格的な撮影もするしで、ちっとも前へ進まないのだ。その上、植物の話など会話がちんぷんかんぷんで何を話しているかすら分からなかったりする。でも、とても楽しいし、勉強になることばかり。
 当時、私は植物オンチで何も知らず、たとえば「これ何?」と聞いたら全員が振り返って大きな声で「ええっ、アオキを知らないの!」って具合に呆れられたりした。アオキってどこにでもある植物で自然観察する人は誰でも知ってるものだったのだ。これが何度も続いたので、isa隊員が新刊の「日本の野草300」冬・春編、夏・秋編2冊をプレゼントしてくれたのを機に一念発起して植物を覚えることにした。
 動物や鳥、昆虫のエサは植物が多いから名前が分からないと理解が進まないし、糞の中の植物の種を見ても食べたものがさっぱりだと、これも情けない。後にisa隊員は「種子と果実」の本を出したから、これも大変助かったし、「樹木図鑑」や「樹皮と冬芽」もくれ大いに救われた。
 また、初めて見た植物をブログに載せて質問するとすぐに藤田さんやk-ta隊員が教えて下さり、とても助けられた。私の場合、花ではなく植物そのものを手当たり次第に見ていったから、葉や茎で同定することが多く、図鑑だけでははっきりしないものが多かったのだ。
 マツ枯れが進み、リスを直接観察するのがたいへん厳しい状態となった頃から3、4年間植物中心の観察が続いたのである。このおかげで難しいイネ科やカヤツリグサ科、シダ類を除いた草木の名前が少し分かるようになり、森の理解が一歩進んだかもしれない。
 隊長は隊長でいまホームグランドとしている丹沢の山々を毎週歩き、主に動物の糞を拾いその内容物を調査されている。結果はブログ「故有事」にその都度アップされているが、テンやタヌキ、ハクビシン、アナグマなどの糞には植物の種子がとても多く、動物を理解するにはやはり植物の知識は外せないのがよく分かる。
 隊長の糞調査から見えたのが、これら食肉目の動物がエサの少ない冬から春に落ちたサルナシやマメガキ、ケンポナシはもちろん、キブシやツルウメモドキなど小さく栄養のなさそうなものまで頻繁に食べていたこと。本来は肉食のはずだがエサがないとここまでするのである。
 この探検隊のメンバー数名が私の船に乗り一度釣りをやったことがある。釣った魚を駅前の店に持ち込み親睦会となったが、残った魚や料理、刺身にしたタイの頭やアラなどをそれぞれ持ち帰りきれいに食べきってくれた。ふつうあまり見ることのない光景だったし、あとでネコも舐めるところがないほど食べた様子を聞いてとても感動したが、このとき日頃野生に接しているからこそこの結果で、当然なのだな~と思ったのだ。


スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://takezoumaru.blog.fc2.com/tb.php/218-24d495bb
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック